一年前の父は…

一年前の、2022年6月3日朝、父は救急車で運ばれて入院した。

このブログで父の在宅介護について書き始めたのが2022年年8月10日からなので、父の入院のことは書いていない。父が6月3日に入院し、8月末に退院してくるまでの約3ヶ月のことを振り返って、残しておきたいと思う。

 

救急搬送の3日前の早朝に、父は室内で転倒したと言うのだが、「大丈夫じゃ。心配いらん。」と言うので、様子を見ることにした。

…後から思えばのことだが、

父は転倒したときのことをよく覚えていなかったので、ひょっとしたら、父は転倒して気を失っていたのかもしれないと思う。

 

父は、次第に、食欲がなくなった。

父は、胃痛持ちで、時々食欲がなくなるのだが、何かいつもと違うように感じ、ケアマネさんと相談し、通院ではなく往診に切り替える準備をすすめていた。

6月3日早朝に、「息苦しくなった」と言い始め、ベッドから起き上がれなくなった。

父はそこではじめて、「何かおかしいから、病院へ行きたい。」と言い出した。

ケアマネさんとも相談し、救急車に来てもらって、ストレッチャーで運んでもらうしかないという判断をした。

 

父は、救急車ではハイテンションになり、「寝とったら、どこも痛くないです。心配してもらって、すみませんなー。」などと隊員の方に明るく言うものだから、安易に救急車に来てもらって申し訳ない気がしたのだが、

病院に運ばれ、検査の結果、なんと転倒によって肋骨が3本折れて、折れた肋骨が左肺に刺さって、左肺がしぼんでいたということがわかったorz

 

胸腔ドレナージという肺に針を刺して、肺にたまった水や空気を抜く処置をして、そのまま入院となった。

コロナウィルス感染防止のため、家族の付き添いや面会は禁止だったので、父とは会えなくなってしまったが、主治医の先生や看護師さんが、わたしが洗濯物を持って行ったときなどに合わせて、丁寧に経過を報告してくださった。

 

入院後、出血による貧血のため、数回輸血を行った。

39℃後半の熱が続き、胸水と腹水がたまっているということで、たいへん心配した。

1週間後の6月10日の主治医との面談のときに、貧血は落ち着き、体温も37℃台後半となったと教えていただいた。

6月27日の面談のとき、体温は平熱に下がり、肺の機能も正常になっていると教えていただき、ひとまず安堵した。

折れた肋骨は、数年単位で自然治癒していくものということも教えていただいた。

 

このとき父は寝たきり状態になっていた。

父は、外科病棟から整形外科病棟へ移り、退院にむけて、リハビリが始まった。

目標は、第1段階は、ベッドまわりで暮らせるようになることだ。

つまり、起き上がれるようになり、ベッドのそばに置いてあるポータブルトイレに移って用を足せるようになり、ベッドで、食事や洗面や、上半身の着替えなどができるようになることだ。

できれば、歩行器を使って、日中はトイレに行けるようになることを、第2段階の目標とした。

 

退院後は在宅介護を希望したので、リハビリの先生方とわたしとの打ち合わせも始まった。

7月12日には、父は「外出」で1時間ほど家に帰ってきて、理学療法士の先生、作業療法士の先生、担当看護師さん、ソーシャルワーカーさん、ケアマネさんとわたしが立ち会い、生活の動線確認と、歩行器や手すりなどの介助器具の検討を行った。こうして、きめ細やかな退院支援が進んでいった。

 

父はリハビリをがんばり、目標であるベッドまわりでの暮らしができる見通しがついたので、7月末に退院予定ということになった。

1ヶ月間で寝たり状態からそこまでできるようになったのは、スゴいと思う。

挫けそうになる父を励ましつつリハビリを進めてくださった理学療法士のF先生とのご縁にも助けられた。父はF先生に全幅の信頼を置いていた。

 

ところが、退院予定日直前の7月25日の血液検査の肝機能の数値に、急に異常が出て、退院延期になってしまった。

リハビリをがんばりすぎたのか…w

一番ガッカリしたのは父だと思う。

 

肝機能障害は、いろいろ検査するもヒットしないとのことだった。

少なくとも腫瘍などの「悪いもの」ではないとのことで、これ以上の悪化がみられなければ、8月24日に一旦退院ということになった。

94歳と高齢なので、どこかしら不具合を抱えていてもおかしくない。一旦退院して、自宅で、入院の延長のような暮らしをすればよいと、わたしも考えた。

 

退院は、めでたく8月24日に実現できた。

歩行器を使ってなんとかトイレにも行けるようになっていたが、理学療法士の先生に、環境が変わると、転倒をしやすいと教えていただき、入院中のようにベッドまわりでの暮らしから始めた。じっさい退院して数日後に、ベッドのそばで転倒した。 ヒヤッとしたが、ケガがなくて、よかった。

やがて、だんだんと、日中は歩行器を使って、ゆっくりではあるが安定してトイレに行けるようになった。

昨年末に、肝機能も正常値に戻った。

疲れやすく寝たり起きたりではあるが、現在は、リビングで短時間なら座って過ごせるようになった。

住み慣れた自宅で穏やかに気ままに過ごすことが、父にとってプラスになっているように思う。

 

こうして振り返ってみると、いろいろあったが、父の入院から退院まで、父もわたしも、医療や福祉に携わるたくさんの方々に、たくさんの援助をしてもらった。

おかげさまで、父もわたしも安心して、今の在宅介護の暮らし方に着地できたと思う。

ありがたいと思う。

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