父は、布団は昔から綿(わた)の布団が好きで、羽毛布団を勧めても、「綿の布団じゃなきゃ、寝た気がせん」と言っていた。
そんな父が、「今年の冬は布団が重くていけん。」と言う。
筋力が弱ると、布団が重いと感じるようになるらしい。
父と相談して、冬用の羽毛布団を買った。
羽毛布団は、父が思っていたよりずっと軽くて暖かいそうで、とても気に入ってくれている。
父はすでに痩せ細っているところに、ここ1ヶ月で急に、なぜか体重がさらに1kg減ってしまった。
身長は172cmくらいあるのに、いまは体重が43kgしかない。(昔は65kgくらいだった。)
老衰で自然に細胞が減少していくと十二指腸や小腸等の消化器官が萎縮して正常に機能しなくなるそうだ。
消化器官の働きが衰えると、食事から栄養を吸収しにくくなるため、体重が減少し痩せ細っていくそうだ。
今の父は、木がゆっくりと枯れていくような、そんな状態なのだと思う。
今のところ食事はおいしく食べてくれているが、やがて受けつけない日がくるだろう。
いつかその日がくることを、覚悟はしていても怖い、というのが正直なところだ。
怖いけれど、父が一番楽に過ごせるように、フワッと父に寄り添いたいと思っている。
羽毛布団みたいに。(…と、どこまでもタイトルに結びつけるワタシです笑)