脱水とむくみ

父はすこぶる機嫌が良い。

「調子がエエから百歳まで生きるぞ!」などと強気の父が戻ってきた。

骨粗鬆症の薬と前立腺癌の薬を3日間飲んだ、ということのフラシーボ効果のような気もするけど…w、

何はともあれ父の調子が良いのはたいへん喜ばしい。

 

ただ一方で、手放しで喜んでいられないことがある。

父は最近、脱水症状とむくみ症状が、同時に起こっているのだ。

 

父は、数年前から慢性的に脱水の数値(尿素窒素の数値)が高い。

主治医から、「お年をとった方は水分が体外に出やすいので、水分補給をこまめにしてください」と言われている。

 

成人の体液量は体重の約60%ですが、高齢者では約50%と少なくなっています。体液は、筋肉に一番多く含まれますが、高齢になると筋肉量が減り、からだに水分を蓄えにくくなります。また、脂肪は水分を蓄えにくいため、筋肉が少なく脂肪の多い人は脱水に注意が必要です。

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以来、水分補給補給を心がけている。

父は日本茶やコーヒーがもともと好きだけれど、半年くらい前から、嚥下機能の低下によって、さらさらした液体が飲みにくくなっている。

父の様子を見ながらいろいろ試してみると、日本茶はこれまでの半分量に減らすと飲め、コーヒーはゆるゆるのゼリーにすると飲める(食べられる)ことがわかった。

そして父が好きな、morinagaの「とろけるゼリー」も取り入れて、水分補給量を維持していた。

 

 

ところが、一昨日、入浴介助にきてくださった看護師さんに「左側のまぶたがむくんでいます。BNPの数値も今までで一番高いですので、注意深く様子をみましょう。」と言われた。

父は、昨年の夏、漢方薬の副作用で、体重が3週間で4キロ急増し、足がパンパンにむくみ、BNP の数値が上がって、軽度の心不全を指摘され、以後、BNPの経過観察をしている。

 

左側のまぶたがむくんでいるなんて、まったく気づかなかった。

体重は特に増えていないので(どちらと言うと減る傾向なので)、むくみはないと思っていたが、看護師さんの観察力はすごい。

 

「むくみ」や「体重増加」も心不全の前兆です。 心臓の機能が低下すると、血液の流れが悪くなり、体全体に水が溜まりやすくなります。 水分がまわって腫れる症候であるむくみは、「浮腫」ともいわれ、体を起こしているとたまった水は下半身に移動するため、通常は下肢に見られます。

(公益財団法人日本心臓財団のホームページより)

 

脱水とむくみが同時に起こるのは矛盾していると思うが、人体は複雑だ。

平たく言うと、必要なところに水分がいかなくなり、不必要なところに水分が溜まる、ということが起きているようだ。

 

そんな父の水分補給は難しい…

とりすぎてもよくないし、足りないのもよくない。

 

幸いなことに、父は、食事は美味しいと言って、楽しみにしてくれている。

また、父は何も心配していない。

主治医や看護師さんから聞いた話は忘れてしまっているし…w

 

わたしとしては、父の身体の声に従うこと、つまり、父が美味しいと言うものを、食べたいだけ食べて、飲みたいだけ飲んでもらうということでやってみようと思う。

父に口から美味しく食べて(飲んで)もらえるよう、いろいろと調理の工夫するのが、「わたしにできること」だ。

手探りではあるが、よく父を見ながら、父が安心できる穏やかな「今」を重ねていきたい。