わたしが務めさせてもらったシンポジウムは無事におわった。
父も3泊4日のショートステイから帰宅してきた。
父は家に着くなり、「あー、家が一番ええの。」と言った。
そして「ショートステイは窮屈だった。」とも。
よく聞くと、ショートステイの1日の日課、お風呂の入り方、その他手伝ってほしい用事があるときに、父のやり方で父のペースで行われないことが、父にとって「窮屈」だったらしい。
家では、父の暮らしやすい日課で、父のやり方やペースに合わせて、わたしが手伝って暮らしているから、その通りではないショートステイでの暮らしは、そりゃあ「窮屈」だろう。
介護施設は、集団をお世話するのだから、そうそう個人個人のやり方やペースに合わせてはお世話できない。
仕方ないことだ。
父は、夜もしっかり眠ることができ、どこも調子悪くならず、夜間も含めて2時間おきに部屋まで様子を見に来ていただいたり、食事はおいしく品数が多かったり…、良いこともいろいろあっただろうに…。
ともあれ、父の協力がなければ、今回の仕事はできなかった。父にお礼を言った。「お父さんのおかげで、よい仕事ができました。みなさんも、お父さんに感謝していました。ありがとうございました。」と。
父は「そりゃよかった」とうれしそうな顔をした。
そして、父に一度ショートステイを体験してもらう機会となって、わたしはよかったと思う。今後、わたしがとくに病気などで、父の世話ができない状態になったときは、またお世話になることもあるだろうから。
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神武天皇が祀られている。
神武天皇の建国の理想である、争いのない、人々が助け合って暮らす日本国、そして世界平和を祈る神宮である。
畝傍山の麓にあり、周囲を森に囲まれている気持ちのよい神社だった。
橿原神宮のそばにある長山稲荷社にもお参りした。
こちらのお稲荷さまは、橿原神宮が創建される前から鎮座されており、橿原神宮の造営を守護されたとされる。
鳥居を進んでいくうちに、なんともいえない畏れ多い「山の主」の存在の気を感じ、ぞくぞくとした。
すべては無事に終わった。
さあ。また日常の暮らしをコツコツと重ねていこう。