盆送り

今日はお盆の16日。家に帰ってきていたご先祖さまたちが、あの世に戻っていく日だ。

夫の実家では、ご先祖さまのお土産に白玉団子を持って行ってもらう。義母が、砂糖醤油の餡をかけた白玉団子をお供えしていた。長女が焼いたマントウも一緒にお供えした。マントウは、肉まん・あんまんの中身が入っていない蒸しパンだ、長女いわく「中国のお母さんが作るパン」だそう。日本酒のような発酵のかおりがほのかにして、おいしい。このお土産、ご先祖さまも珍しかろう。

長女のところの小3と小1の孫が遊びにきていたので、一緒にお参りした。孫たちにお盆の物語を話すも、ふーんと、あまり関心がない模様。お線香を焚いたり、仏壇の鈴をならしたり、お下がりのたくさんのおやつをいただくことがお盆のようだ。


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わたしの母方の実家は山陰地方の海の近くにあった。お盆の13日にご先祖さまが海から家に帰ってきて、お盆が終わる16日に海にまた戻っていくという物語のお盆だった。そして、お盆の16日は海水浴をしない日だった。祖母は「16日は、海に帰るご先祖さまが一緒に連れて帰りたくなるからね」と言っていた。母は「お盆を過ぎると海水温が下がるから、クラゲが出てきて人を刺すの。だから海水浴は15日までね」と科学的みたいなことを言っていた。子どもの頃のわたしは、祖母の話の方にリアリティーを感じて戦慄を覚えたものだ。