見通しがたつ

6月始めから入院していた94歳の父、やっと退院できそうだ。

家で転倒して大怪我をして救急搬送してもらい、そのまま入院。コロナ感染予防のため、面会禁止なので、連絡は携帯メールでとるしかない。入院してしばらくは寝たきり状態となり、熱が続き、メールの字がよく見えないなどと言って、ろれつの回らない口調の電話がかかってきたりした。どうなることかと思っていた。もうこのまま会えずにお別れするのかもしれないと本気で考えた。

でも、父の生命力は強かった。気力もあった。怪我の治療とあわせてリハビリを少しずつ毎日続けてがんばった。リハビリは寿命を延ばすと、理学療法士の友人が言っていたが、父はよいリハビリを受けることができたと思っている。どれも介助は必要だが、歩行器を使って歩いてトイレに行き、ベッドそばのテーブルの椅子に座って洗面や食事ができるまで回復した。回復とともに、メールがたくさん来るようになった。

先月7月中旬に一度だけ、父が外出という形で家に2時間ほど戻ってきた。一緒に来てくださった理学療法士の先生、作業療法士の先生、病院のケースワーカーさん、ケアマネさん、福祉用具の会社の方々が、家での父の動作を丁寧に見てくださった。父が家で暮らすための、より具体的なリハビリのプランを立てるためだ。そのときに、父の回復を見ることができた。カラダの機能が回復すると、アタマの機能も回復していくのだと思った。

先月7月28日に退院日が決まり、7月28日にむけて、わたしはケアマネさん始め各所と調整しながら、在宅介護の準備を整えていた。

ところが、今度は肝機能の数値がかなり高くなってしまって、退院延期になってしまった。ううう、なんてこと!一番がっかりしたのは父だろう。

たくさんの検査をして対処をしてもらった結果、先週末くらいから、高止まりしていた肝機能の数値がだんだん良くなってきた。やはり、父の生命力は強いようだ。もちろん根気よく対処してくださった主治医の先生のおかげでもある。

主治医から退院の方向で準備を始めてくださいと、電話をいただいた。わたしは見通しがたつとスッキリする。これから越えなくてはならない山がさまざまあるかもしれないけど、じっと止まっているより動いているほうが、わたしはラクだ。

父や家族と相談して、退院後は訪問診療を利用することにした。ただ、いまコロナ感染者で往診もひっ迫状態だとのニュースが流れている。希望する病院の訪問診療がいっぱいで利用できないかもしれない。いまケースワーカーさんに訪問診療について確認してもらっている。もし訪問診療がどこもダメな場合は、父を車椅子にのせて外来通院となるかもしれない。そうなったら、どうなるのだろう? 在宅介護という未知の世界にちょっとワクワクしていたりする。在宅介護生活が始まると、心が折れそうになることも、きっとたくさんあるのだろうけど…。それも含めて、未知の世界だ。

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お知らせ

2022年9月30日から、千葉県流山市でPassage金曜日コース(全8回)が始まります。

アドラー子育てが大好きな素敵なリーダーさん方が担当されます。

お問合せ・お申込み:nagareyama.passage@gmail.com(パセージ流山)

2022秋