先日、父が転倒した。
父から「転んだ」とメールがきたので、飛んでいくと、
床に転んだ姿勢のまま立ち上がれなくなっていた。
さいわい怪我はなかった。
最後に転倒したのが昨年の今ごろだったので、1年ぶりだ。
後ろから父の脇に手を入れて父を引き上げて起こそうとしたが、以前のように火事場のばか力を出しても起こせなかったorz
ちょうどこのとき家に夫がいたので、夫に助けを求めた。夫は、力持ちなので、難なく父を持ち上げて、椅子に座らせてくれた。
父が恐縮してお礼を言うと、夫は「お安いご用です~」と言って、さわやかに帰っていった。
…その後、父はプライドが傷ついたようで、「もう二度と転ばん💢」と不機嫌になったw
父は、もともと人の世話になるのがものすごく嫌な人なのだ。昭和ひと桁の、大家族を支えた長男あるあるなのかもしれない。
今の父は、娘のわたし以外の人の世話になるのを嫌がる。
しかもわたしが手伝っていることも、忘れてしまうのか、父の中では全部自分でやっていることになっていて、ケアマネさんなどに「全部じぶんでやっております。」などと報告しているwww
ケアマネさん方も「すばらしいですね~」と話を合わせてくださるw
漫画みたいだが、まあそれが父の気力のささえになっていると思うので、みんなで父の物語に乗っかっている。
父の「二度と転ばん!」という心意気は素敵だが、現実的には今後もし転んだときの起こし方の対策を立てておくほうがよい。
訪問リハビリの先生は起こし方をご存じかもしれないと思い、訪問リハビリの先生がいらしている時に「父はもう二度と転ばないと思いますが、わたしの安心のために、今の父とわたしに合う起こし方があれば教えてください。」と聞いてみた。
リハビリの先生は教えてくださった。
まず、上を向いて倒れている父を、四つん這いの姿勢にするのをわたしが手伝う。
父をうつ伏せにして、後ろから父の腰を支えながらわたしの膝を片方ずつ入れて父の足を片方ずつ持ち上げると、父は四つん這いになれた。
次に、四つん這いになっている父の前に、すばやく安定のよい椅子を置いて、父がその椅子に手をおいた姿勢にする。
そして、わたしが父の後ろから、父のズボンのベルトを持って父の腰を持ち上げながら、片ひざずつ立つのを手伝うと、父は立ち上がることができた。パチパチ
リハビリの先生と思わず拍手をしたが、父は「ひとりで起きられるわけではない💢」と不本意そうにしているw
…まあ仕方ないですよ、お父さん。
今日のことも、やがて(たぶん明日には)忘れてますよ。
忘却が、老いや死に直面する恐怖をやわらげる、というのは、そうかもしれないと、父をみていて納得できる。
何はともあれ、起こせることがわかって、よかった。