あめっあめっ

次女が孫たちを連れて泊まりがけでやってきていた。

 

2歳2か月の孫ゆったんは、走るのが早くなり、ずいぶん言葉が増えてきた。「うったん(ゆったん)も行くー」「ごあん(ご飯)たえりゅ(食べる)」「しぇんしぇい(児童館の先生)あっこビューン(抱っこしてビューン)」など、かわいい2語文もしゃべるようになってきて、コミュニケーションができるようになってとても面白い。

 

0歳8ヶ月の孫あーくんが、つかまり立ちと伝え歩きをするようになって、ゆったんが遊んでいるところまで行って、ゆったんが並べたものや作ったものをぐちゃぐちゃにするようになった。

そんなとき、ゆったんは「あーくん、あめっあめっ(ダメっダメっ)、あーめぇー(ダメぇー)」と言って泣く。

ゆったんは、こういうとき、あーくんにどう対応すればよいか、まだよく知らなかったのだろう。

 

わたしが「あーくんは、ゆったんと一緒に遊びたいんじゃない?」と聞くと、ゆったんは「あめー(ダメー)。」と言う。

「そうなんだ。だったら、あーくんに別のおもちゃあげたら?そして、あーくんが届かないところで遊んだら?」と言ってみると、なにやら自分が使わないオモチャを持ってきて、あーくんに「はい、どーじょ(どうぞ)」と渡し、あーくんが届かないソファーの上に引っ越してゆったんは落ち着いた。

あーくんは、ゆったんがくれたものは、なんでも喜ぶので笑、そのオモチャで遊びはじめた。

よかったね。

 

ただ、まだまだ時間がかかりそうなケースもある。

ゆったんがお母さんのお膝に座ってご本を読んでもらっているとき、あーくんがやってきて、ご本のカバーを取ってなめ始めた。

ゆったんは、「あーくん、あめっーーーー」と言って、あーくんを押し倒した。

あーくんは、仰向けに倒れて、ゴンとアタマを打ってえんえん泣き出した。

お母さんは、あーくんをなでなでして、ゆったんに「ゆったん、あーくんを押してはいけないよ。あーくん、痛い痛いだよ。」と言った。

それを聞いたゆったんは、「あーくん、あめあめー(ダメダメー)」と泣き出して、あーくんをボカっとたたいた。

あーくんは、ますます、えんえん泣いて、お母さんのお膝に登った。

ゆったんは、お母さんのお膝のあーくんを押しどけて、ご本を持って「こえ、こえ(これ、これ)」と、お母さんに続きを読んでほしいと訴える。

お母さんは、「あーくんにごめんなさいって言ったら、読んであげる。さあ、ごめんなさい言おう。」と言った。

ゆったんは、「きやい、きやい(嫌い嫌い)」と言って、大泣きして断固拒否。

 

次女はこの時、ゆったんに「人に痛いことをしたら、ごめんなさいと謝る」を学んでほしかったのだろう。

それはとっても素敵なことだ。

だが、ゆったんから見たら、そもそも、お母さんにご本を読んでもらっている最中に、大事なご本のカバーを取ってなめたあーくんは謝らなくてよくて、ゆったんだけ「ごめんなさいって言ったら、ご本を読んであげる(=ごめんなさいを言わないと読んであげない)」だと、これは「罰」に感じて、お母さんからイジワルされているように感じたのではと、わたしには思えた。

 

わたしが次女に「ごめんなさいって言ったら読む、って言われても、2歳の今のゆったんにはよくわからない理屈で、お母さんからイジワルされているように感じてしまうのかもしれないね~」と言うと、

次女も「ふむふむ、なるほど」と言い、

次女はゆったんを抱っこして目をみて、「いーい、ゆったん、痛いことをしたらごめんなさいって言うんだよ。」とやさしく言って、ご本の続きを読んであげていた。

あーくんは、別のことに気が向いて、そっちで遊び始めたので、このトラブルは終わった。

お母さんがゆったんに学んでほしかったことは、ゆったんに届いたかな。届いているといいね。

 

ゆったんもあーくんも、これから「じゅんばん」だとか「ごめんね」「いいよ」「なかなおり」だとか、学んでいくだろう。

二人が、いつでも安心してお家に居場所があるように、お母さんもお父さんもゆったんもあーくんもみんな仲間だと感じるように、自立して、社会に調和して暮らせるように、次女も試行錯誤するのだろう。

ゆっくり親子で学んでいってほしい。

ばあばも、そっと応援してるよ。

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