グッド・イナフ・マザー good enough mother

昨日は、6月のアドラー流山の会に参加した。

午前中は、基本的にはパセージのフォロー会だが、初めましてのメンバーさんがおられる場合は、『勇気づけの歌(野田俊作)』にもとづいて学んでいく。

今回は、『勇気づけの歌(野田俊作)』を輪読したあと、『勇気づけの歌』の内容についてディスカッション、その流れで、あるメンバーさんが最近の気になる事例を提供してくださった。

事例提供してくださったメンバーさんが大事にしておられる価値観が、共通感覚かどうかみんなで点検した。

点検したことを手がかりにしながら、お子さんをどう具体的に勇気づけていくか、みんなで考えた。

 

午後は、たまたま全員が先週の特殊診断質問ワークの受講者だったので、ワークで学んだことをシェアしたあと、おひとりのメンバーさんの事例をもとに、特殊診断質問ワークの復習をした。

 

「劣等の位置」と「優越の位置」、そして「優越の位置」に向かうための手段や方法は、人ごとにぜんぶ違うし、それぞれ独自の論理の筋が通っている。

「劣等の位置」も「優越の位置」も個人がつくり出したフィクションだが、長年ずっと大切に抱えてきたもので、その個人にとっては「あたりまえ」だ。

 

人は、所属に失敗したと感じたとき、その人独自の「劣等の位置」に落ちる。そして所属を取り戻そうと、その人独自の「優越の位置」に向って、怒りとか不安とか落ち込みとか、さまざまな感情をエネルギーにした行動様式でがんばる(過補償する)。

過補償の状態は、結局のところ自分も相手もしんどくなる。

そもそも、そんなに「優越の位置」に向かって力を入れてがんばらなくても、自分も相手も共にくつろげる状態の「平等の位置」にもどればよいのだ。

…だがこれが、なかなか難しいことが多い。

「平等の位置」にもどるためには、その人独自の協力的目標を言葉にしておくのが、たいへん有効だと思う。

 

パセージプラスでは、

「グッド・イナフ・マザー good enough mother」の提案がある。この提案は、親子関係で、「平等の位置」に戻るときの助けになると思う。

「グッド・イナフ・マザー 」とは、

「そこそこの母親」というか「それなりの母親」というか「悪くない母親」というか、そういうような意味です。母親としてしなければならないことを知っていて、それを実行している母、でも、ときどき失敗もするし、ときどきうんざりもするんだけれど、でも、よい母親であろうと目指している母親、そんなイメージですね。アドラー心理学が目指しているのも、こんな母親像です。(中略) 永久に、完璧な親にはなれません。人間は、完全をめざしながら、永遠に不完全な存在なのです。(「パセージプラス」テキスト2-R)

という説明がある。

昨日の午前と午後で扱わせていただいた2つの事例のそれぞれの代替案も、親子がくつろいでともにしあわせになる、そんなにがんばって母親をしなくても十分な、「グッド・イナフ・マザー 」の母親像だと思った。

 

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アドラー心理学に基づく育児学習コース「Passage(パセージ)」のアドバンストコース「Passage Plus(パセージプラス)」が9月24日(日)からスタートします。

お問合せ・お申込みは、adchiba2013@gmail.comアドラー流山)まで。

詳細はチラシをご覧ください。